ツリー・オブ・ライフ

The Tree of Life:2011年 アメリカ
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カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品、監督はテレンス・マリック。

この映画を友人に「どうだった?」と聞かれると、
「これを敢えて映画館で観るのはありな気がする」
と答えて困らせています。乱暴に言うと、宇宙規模で語られる家族単位の話。
130分越えで宇宙ドーン!土星バーン!火山ドカーン!という生命の起源映像の合間に時系列バラバラで挿入されるファミリー劇場でした。このポスターやCMを信用して観に来た人はポカーン状態必至。
かといって「最悪!」とも言えない不思議な映画。そして映像がとにかくきれいでちょっと怖いくらいです。
でも階段やドアや古代生物など、ちょくちょくアピールしてくる象徴が個人的にややうっとうしかった。キリスト教文化に馴染みが薄いとピンと来なそうな演出も多いです。
ホームドラマパートは、古いアメリカの価値観で強い父親像を目指してがんばるブラット・ピットが息子達をスパルタで育てているが息子は反発、ジェシカ・チャステイン演じる優しい母との間で思い悩む。そして父自身の挫折がたぶんアメリカの挫折とダブるような見せ方をしています。
ファザコン&長男コンプレックスを抱えた息子が成長するとショーン・ペンになって、高いビルのオフィスで淡々と仕事をしてるシーンはやたら無機質な演出。彼の様子からなんとなく現在の状況を把握するものの、彼もまたイメージ映像の世界へ突入してしまうのでした。
でも日常生活の中や家族の中での男の子の目線など、ふつうに面白い部分も多いんですよ。大袈裟な割にはテーマも普通なんですよね。
が、トータルでみるとかなりどうかしてます。良くも悪くも。
それと「赤毛にはピンクがよく似合う」を再確認。

ちょっと話がずれますが惑星の映像が出て来た時に、
「あれ?こういう宇宙の営みに日常生活の営みを同時に見るのって占星術やってる人には割と当たり前なのでは」
と感じました。惑星の運行っていう超マクロな現象を日常に変換する技術なので。

Posted: 9月 19th, 2011 under 映画&ドラマ.
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